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2006年4月15日 (土)

今夜、すべてのバーで / 中島らも

Bar_3  らもさんが、実際にアル中で入院した時の事をベースに書き上げられた小説。

ちょっとひねくれた性格の主人公が、突っ走ってきた人生の代償にアル中になり、精神的な切迫感と肉体的な苦痛の末に入院するところから話は始まる。

この小説には感情移入する事が多々ある。

体調にかなりの異常を感じ、行くのが嫌な病院に行って検査後に即入院。
その時の心情描写には20歳の時に体験したことがオーバーラップする。

入院中の様子にも記憶がだぶる出来事がある。

56歳でアル中で死んだ親爺の事を思い出し、今アル中に向かって落ちていく自分の事が浮き彫りになる。

そんな自暴自棄な自分を救い出し、生きる望みを与えてくれるのは彼女である。

この小説はアル中による緩やかな自殺を図る主人公が愛する彼女を見つけ、その事に気付き、生きる事を選択するという恋愛小説でもある。

人間は愛無くして生きられない動物であると感じさせられる。

第13回吉川英治文学新人賞受賞作品

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